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リングに使われる貴金属 プラチナ
プラチナは、
ゴールドと並んで、指輪に使われることが多い金属です。
プラチナの含有率により、
- Pt900(プラチナ90%)
- Pt950(プラチナ95%)
- Pt999(プラチナ99.9%)
などがあります。
プラチナは、そのままでは指輪としての強度が保てないため、
割金としてパラジウムやルテニウムなどを配合して硬さを増しています。
その割金の比率により
Pt900(プラチナ90%、その他10%)、
Pt950(プラチナ95%、その他5%)となります。
強度の面からいうと、これまではPt900が主流でしたが、
最近ではPt950・Pt999のリングも多く見られます。
これは、製造技術の発展により
Pt950やPt999(プラチナ99.9%以上)でも、
充分な強度が保てるようになったからです。
これらの割金を足したり、製法を工夫して
強度を増したプラチナのことを
「ハードプラチナ」とよんでいます。
各社独自の配合や、製法の工夫により
増々強度の高い素材が開発されています。
ウルトラハードプラチナ、スーパーハードプラチナ
プレミアムハードプラチナなどなど、
多くのハードプラチナがあります。
また、製造方法によって鋳造・鍛造に分けられます。
鋳造(ちゅうぞう)
- 原型を型どった鋳型に、溶かしたプラチナを流し込んで作られます。
- 鍛造のように叩いて鍛えるということをしないため、鍛造に比べると硬さが劣ります。
- 原型通りに再現できるためデザインの自由度があります。
- また、婚約指輪の爪のように、加工のためにある程度の柔らかさが必要なものに使われます。
- 昨今では、鋳造も硬さを増す製法が開発されて以前よりもずっと強度が増した製品も出ています。
- 素材を叩いて(圧縮して)成形して作られます。
- 圧縮することで金属は硬く鍛えられます。
- 鋳造に比べて、硬く強いプラチナになります。
- しかし、叩いて成形するので、デザインによっては、鍛造では作ることのできないものもあります。
- 圧縮する時間や強さ、温度などの工夫により以前よりもずっと強度のあるものが作られるようになりました。
このように、プラチナは含有率や製法によって、硬さが変わってきます。
硬さを示す尺度であるビッカース硬度で比較してみると、
純プラチナ | 50 |
ハードプラチナ | 100~200 |
純金 | 22~50 |
ゴールド(K18) | 70~150 |
チタン | 110~150 |
(ビッカース硬度の値は、概算値です。)
貴金属以外では、
1円玉(アルミニウム) | 45 |
500円玉(白銅) | 160~170 |
スチール缶 | 170 |
カッターナイフ | 850 |
セラミック(陶器) | 1500~2000 |
ダイヤモンド | 7000 |
ダイヤモンドは地球上で一番硬い物質ですので
7000という数字は納得できると思います。
しかしながら、セラミック(陶器)がこんなに硬い(1500~2000)とは
意外ではないでしょうか。
つまり、どんなに硬い金属でも陶器でこすると傷がついてしまいます。
陶器の糸口(茶碗の底や土鍋の蓋の丸いザラザラしたところ)や
海や砂場の砂(セラミック)で指輪をこすると
傷がついてしまいますので、ご注意ください。
リングに使われる貴金属 プラチナ Pt1000とPt999の違いは?
品位的には同じものです。
表記の規格が変わりました。
Pt1000は、プラチナが100%(1000‰)すなわち純プラチナだということを表します。
しかしながら、実際はプラチナの純度は99.95%程度が限界と言われています。
残りの0.05%はどうしても不純物が混じることになります。
この状態でも、純プラチナであるということで
造幣局のホールマーク(※)はPt1000と表記していました。
しかし、この表記ですと国際的に使われている規格(国際標準規格(ISO9202)
及び日本工業規格(JIS H6309))と合わないため
これらの規格に準ずるためPt999を使うことになりました。(2012年4月以降)
このことから、2012年4月以降に作られたプラチナリングには
Pt999と刻印されることになりました。
Pt1000とPt999は、品位的には同じものです。
また、残りの0.05%のうち0.0何%をある決まったものを混ぜることにより
プラチナの硬度を高めることに利用しているメーカーもあります。
この場合でも品位の基準(プラチナ99.9%以上)を満たしているためPt999と刻印されます。
造幣局では、公的な第三者として、貴金属製品の製造又は販売をしている事業者の方々からの依頼に応じて、貴金属製品の品位試験(分析を行い、製品に含まれる貴金属の純度の割合を調べること)を行い、 この試験に合格したものには、次のような証明記号を打刻してその品位を証明しています。
この証明記号を通称「ホールマーク」といい、一般の方々からの信頼も厚く貴金属製品の取引の安定と消費者保護に貢献しています。
リングに使われる貴金属 ゴールド
ゴールドの純度は、
K:カラット(ダイヤモンドのカラットとは違います)で表され、
純金はK24(24金)で、100%を24で表します。
K18(18金)は、18/24=0.75なので、金が75%ということになります。
プラチナと同様に999、750と表示することもありますが、
日本国内の指輪ではあまり使われていません。
(プラチナだとPtを付けますが、金の場合は何も付けずに数字だけです)
指輪などの宝飾類に使われるゴールド(金)は、
K18(18金)が主流です。
K14やK10も使われることがあります。
純金は柔らかい金属なので、そのままでは指輪などにはあまり使われません。
割金を混ぜて、強度を増したものを使います。
使われる割金は銀と銅が一般的で、パラジウムなどが少量使われます。
使う比率により色が変わり、ピンクゴールド、イエローゴールドになります。
また、銅を使わずにパラジウムを使うとホワイトゴールドになります。
ピンクゴールド
- 割金として合金された銅の色でピンク色を出しています。
- 18金だと金は75%で、割金として銀が5%、銅を18%そしてパラジウムを2%程度です。
- これらの比率を変えることでピンクの色合いが変わってきます。
イエローゴールド
- 割金の銀と銅をほとんど同量にすることでイエローになります。
- パラジウムは使われません。
- 銀と銅の比率を微妙に変えるとイエローの色合いが変わってきます。
ホワイトゴールド
- 銀とパラジウムを使うことでホワイトゴールドの色になります。
- このままだと少し黄色がかってくすんで見えるためロジウムで表面をメッキします。
- 銀を使わずにパラジウムだけのものもあります。
- パラジウムではなく、ニッケルを使う場合もありますがニッケルはアレルギーの心配があるため最近ではあまり使われていません。
- ロジウムメッキをしていればニッケルに直接触れませんが、メッキが剥がれる場合があります。
- アレルギーの方は注意が必要です。
その他
- 他には、グリーンゴールド、レッドゴールド、さらにパープルゴールドというものもあります。
- いずれも割金に使う金属とその比率で色を出しています。
リングに使われる貴金属 チタン
リングに使われる貴金属 その他の素材
パラジウム
パラジウムは、プラチナ、金などの割金として使用されていますが、
最近では、このパラジウムを使った指輪もでてきました。
パラジウムは加工が難しかったのですが、技術の進歩で製品として使えるようになりました。
パラジウムは、プラチナと同じ白金族の金属でありながら、
比重がプラチナの約半分と軽いため着け心地がよい指輪ができます。
パラジウムでアレルギーを起こされる方がまれにおられます。
金属アレルギーの疑いがある方はご注意ください。
Pt・G1000
パイロット社が開発した新しい素材として注目されています。
金と銀を半分づつの比率で配合し、独自の製法でビッカース硬度300を実現しました。